レビュー

【ドラマ】アンサング・シンデレラを見た薬剤師の感想と原作漫画との違いについて

こんにちは!薬剤師テンパです。

先日、ついにドラマ「アンサング・シンデレラ 病院薬剤師の処方箋」の第1話が放送されました。

自分が知るかぎりでは、病院薬剤師が主役のドラマは初めてではないでしょうか?

これは薬剤師として見ておかなければと思い、楽しみに放送開始を待っていましたが、新型コロナウイルスの影響により、3か月遅れのスタートになりました。

テンパ
テンパ
長かった・・・

ドラマ「アンサング・シンデレラ 病院薬剤師の処方箋」は、漫画「アンサング・シンデレラ 病院薬剤師 葵みどり」が原作の今季注目作品です

実は放送スタートが待ち切れず、テンパはドラマの前に漫画を読んでしまいました笑

そこで今回は、薬剤師視点からのドラマ「アンサング・シンデレラ 病院薬剤師の処方箋」の感想と、原作との違いについてまとめました。

テンパ
テンパ
若干のネタバレがあるので注意です!

「アンサング・シンデレラ 病院薬剤師の処方箋」 番組情報

あらすじ

主人公、葵みどり(あおい・みどり)はキャリア8年目の病院薬剤師。
みどりは「薬は患者の今後の生活につながるからこそ、その人自身を知る必要がある。それが、薬剤師にとって何より大切だ」という信念を持ち、1人でも多くの患者を救いたいという気持ちから、ついつい患者に深入りして時間をかけてしまい、他の薬剤師からはもっと効率的に仕事をすべきだと叱られてしまう。
しかし、すべては患者の“当たり前の毎日”を取り戻すため、患者一人ひとりと真摯に向き合いながら、日々奮闘していく。

キャスト

石原さとみ(葵みどり 役)
田中 圭(瀬野章吾 役)
西野七瀬(相原くるみ 役)
真矢ミキ(販田聡子 役)
桜井ユキ(刈谷奈緒子 役)
でんでん(荒神寛治 役)
その他

放送時間

毎週木曜夜10時

いつから放送開始?

4月9日(木)に放送スタート予定でしたが、新型コロナウイルス感染拡大の影響や、小野塚綾役で出演予定だった清原翔さんのキャスト変更により、3か月後の7月16日(木)より放送スタート。

 

原作漫画との違い

ドラマと原作漫画とでは、登場人物その設定違いがあります。

石原さとみさんが演じる主人公の葵みどりは、病院薬剤師としてのキャリアが8年目という設定になっていますが、原作だとキャリア2年目の26歳となっています。

原作の葵みどりは2年目ということもあり、まだまだ新人ぽさが抜けない薬剤師で描かれていますが、ドラマでは知識と経験豊富な中堅薬剤師として登場します。

もしかすると、石原さとみさんの実年齢33歳に近付けたのかもしれないですね。

また、原作だと同じ薬剤部の上司である瀬野章吾が妊婦のHELLP症候群に気付きましたが、そこがまるっと葵みどりの活躍になっていました。

その他にも、登場人物の役職人間関係なども変更になっており、原作には登場しないドラマ限定の人物も登場しています。

テンパ
テンパ
個人的には、原作よりもドラマが方が実際の現場に近いと感じました。

 

薬剤師から見てよく作り込まれている作品

最初は病院薬剤師が主人公のドラマと聞いて、少し心配してしまいました。

なぜなら、病院薬剤師を経験したことがあるテンパが思うに、ドクターや看護師といった職種に比べると、薬剤師は患者に直接触れるような処置ができなく、服薬指導や調剤業務がメインになるので、ドラマとしては少し地味になるのではと思いました。

ちなみに、ドラマでは主人公が心臓マッサージや血圧を測定をしていましたね。これは処置ではないのでOKですが、注射剤を投与したり、診察することは、法律上認められていません。

結論から言うと、ドラマ「アンサング・シンデレラ 病院薬剤師の処方箋」はとても楽しむことができました。むしろ、よく作り込まれているなと感心しました。

薬剤部の内部って、薬を取りにくる機会のある看護師を除き、同じ病院内で働いていても、中を見たことがないという医療従事者も結構います。

そんな閉鎖的な空間で働いている病院薬剤師の知られざる舞台裏が、細かく再現されていました。

ドラマなので多少オーバーなところはありますが、特に医師との疑義照会エピソードは、病院での勤務時は、日常茶飯事だったな~とほのぼのして見てしまいました。

処方箋の間違いを発見し、処方医に電話で疑義照会すると「今忙しいから、そんなことで電話してくんな」と言われることが、本当によくあります

その上、しつこく電話すると、電話にすら出てくれなくなります。

そんな時は、薬剤部から病棟へダッシュし、ドクターに直接変更をお願いしに行っていました。(テンパは何も悪くないのだが・・・)

注意しておきますが、全てのドクターがこんなことをするわけではありません!

もちろん、謙虚で素敵なドクターもたくさんいます笑

ドクターが多忙なのは知っていますが、自分が処方した薬について責任を持ってほしいと、薬剤師として感じます。

ドラマでは、主人公はドクターの嫌みに笑顔で対応しつつ、帰りは独り言で文句を言いながら、自分の手帳に調剤印を連打してましたね。

本当に気持ちわかります!

あと、薬剤師が点滴などの輸液を作ることはできますが、患者に投与することはできません。その薬剤師ならではのどかしさも、演技でしっかり表現されていました。

ちなみに、タイトルの「アンサング」とは英語で「unsung」と書き、「歌う」の「sing(シング)」の過去形「sung(サング)」に「un(アン)」を付けて、「歌われていない」との語源から、「称賛されない」などの意味で使われます。「unsung hero(アンサング・ヒーロー)」だと、「縁の下の力持ち」と訳されます。

病院薬剤師が表舞台には出ない、縁の下の力持ちであることを表しているとのことです。

 

薬剤師としての注目ポイント

病院薬剤師のあるあるネタが組み込まれていて面白かった

  • 待たせると怒りだす患者
  • 体調が良いからと自己判断で薬を中止する患者
  • 副作用が心配で薬を飲まない患者(同じ薬で副作用歴なし)
  • 錠剤が大きいといって薬を飲まない患者(嚥下機能の低下なし)
テンパ
テンパ
本当にこんな患者がいます!

  • 新しい薬の味見
テンパ
テンパ
粉薬やシロップ剤は小児が服用するケースが多いので、味を知っておくと服薬指導がしやすくなるのは本当です。特に抗生剤は苦みが強いです。

ドラマ放送中に流れるCMが面白い

ドラマの放送途中に流れるCMは、薬剤師にスポットを当てたドラマなので、他の番組ではあまり見ることができない、調剤薬局や製薬会社のCMがここぞとばかりに流れます。

「アンサング・シンデレラ」×「クオール薬局」のコラボCMは必見です!

https://twitter.com/unsung2020/status/1283672763182411776

 

惜しいと思ったポイント

薬の説明が分かりにくい

病院薬剤師にスポットを当てたドラマなので、どうして薬が出てきてしまいます。

一応、薬が出てきた際にセリフ中で薬の説明はありましたが、医療職でない人にとって少し分かりにくいだと感じました。

現に一緒に見ていた嫁に「今のβ(ベータ)ブロッカーとアドレナリンの説明分かった?」と聞いたところ、「分からない」と言われてしまいました。

確かに薬の説明をすると、時間がいくらあっても足りません。

きっと演出家の方も、相当悩んだかと思います。

設備の細部が気になる

ドラマでは、新人の相原くるみが薬を間違った棚に戻してしまい、主任薬剤師に怒られてしまうシーンがありました。

その薬がアロチノロールアロプリノールでした。

アロチノロールは、高血圧、狭心症、頻脈性不整脈などに使われる薬であり、一方のアルプリノールは、血中の尿酸値の下げてくれる高尿酸血症治療薬です。

薬の取り間違いをして、誤った薬が患者に渡ってしまうと一大事です。

しかし、そもそも安全対策がしっかりなされている薬剤部(もしくは薬局)では、名前や包装が似ている薬の引き出しを横に配置しません

むしろ、配置されているとすると、管理不十分で管理薬剤師の責任になります。

もしかすると、ドラマではこんなケースもあり、病院薬剤師が気を付けていることをアピールしたかったのかもしれません。

もしそういった説明もあれば、より作品の完成度が上がると思います。

 

薬剤師以外の人に是非見てほしいドラマ

ドラマ「アンサング・シンデレラ 病院薬剤師の処方箋」は、薬剤師から見てもよく作り込まれていると思う作品なので、薬剤師以外の人が見たらきっと面白いと思います。

むしろ、個人的には薬剤師以外の人に是非、このドラマを見てほしいです!

なぜなら、世間一般的に薬剤師はただ薬を渡すだけの仕事と思われがちで、どんな仕事なのか正しく理解されていないと感じるからです。

ドラマの放送中、ポンポンと医療用語が飛び交っていましたが、疑義照会という言葉を初めて知った人もいるかと思います。

ドラマでも言っていた通り最後の砦として、薬剤師は患者に誤った薬が処方されていないか確認を行い、問題があれば処方医に疑義照会をしています。

そして、患者に薬の副作用が出ていないことも、服薬指導をしながら確認しています。

決して、薬を渡すだけではありません!

このドラマを通して、病院薬剤師がどのような業務をしているのか、チーム医療の一員としてどんな役割を果たしているのかを、少しでも知っていただけたらと思いました。

今後の展開が楽しみですね!

ちなみに放送を見逃したという人は、動画配信サービス「FOD」で見ることができます。無料トライアルもあるのでオススメです。

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