こんにちは!テンパです。
突然ですがみなさん、”エリザベスカラー” というものをご存じでしょうか?
普段はあまり聞かない単語ですが、ペットがいるお宅でしたら、ご存じの方が多いのではないかと思います。
この間テンパの愛犬のチワワが動物病院にかかったのですが、そこで渡されたエリザベスカラーの使い勝手が良くないうえに、日割りでレンタル料がかかることもあり(動物病院によってそれぞれシステムが違うと思います。)、うちの子に合うものが欲しいと考えたことが、エリザベスカラーを手作りするきっかけでした。
そこで今回は、エリザベスカラーを自作する方法についてご紹介します。
目次
エリザベスカラーとは
犬や猫が手術を受けたり、けがをしたときに、首の周りにぐるっと巻くように付ける、エリマキトカゲのような保護具のことです。
この名前は、16世紀イギリスのエリザベス朝で流行した襟の形から付けられたそうです。
どうぶつはけがなどをすると、本能で舐めて治そうとする子がほとんどです。
また、手術で縫合した糸を噛んで取ろうとしたり、塗った薬を舐め取ってしまったりもするため、患部の悪化を防いで早く治すために、エリザベスカラーは大切な役割を担うものなのです。
チーは何度か入院や手術をしていて、その度にエリザベスカラーを付けていました。
病院で借りるものは、とっても丈夫でちょっとやそっとじゃ壊れたりしないのですが、どデカくて重いし、サイズがイマイチ合っていないような・・・。
チーのような小型犬には負担が大きいように見えて、外せるまではテンパにとってもつらい期間でした。
エリザベスカラーを手作りできないか?
こう考えたのは、前述のことがあったのと、チーが高齢になって目周辺のトラブルが増えてきたためです。
左まぶたを爪で引っかいて腫れてしまったチー
動物病院の先生には何もしなくていいと言われたのですが、チーは気になるのか、こまめに顔を洗うので、なかなか治りません。
いろいろ調べた結果、芯を布で覆って作ったり、シャンプーハットを利用して作ったらどうかと考えたのですが、やはりチーが足元や前後左右が見えることが一番大事だと考えたので、視界を妨げないように透明なクリアファイルを主な素材にして、作ることにしました。
↓イメージはこんなかんじです。
エリザベスカラーの作り方
それでは早速作っていきましょう。
用意する材料
- A4クリアファイル
- フェルト生地(今回は厚手のものを選びました。)
- マジックテープ
- 絶縁用ビニールテープ
- プラスチック用接着剤(布もくっ付くものです。)
- 定規
- メジャー
- 油性マジック
- はさみ(紙用と布用の二種類あると便利です。)
家にある筆記用具以外は、100円ショップのSeriaで揃えたので、かかった費用は600円以内でした。
1.体を採寸する
まずメジャーで、必要なサイズを測ります。
首周り
チーは 20cm でした。
首輪があれば、その大きさを参考にされると良いと思います。
エリザベスカラー内周の半径
[首周り(20cm)] ÷ [円周率(3.14)] ÷ [2] = 3.33cm
なのですが、フェルトを貼ったり、円錐台形にするために少し縮まることを考慮して、余裕を持って 5cm にしました。
エリザベスカラー外周の半径
チーは 14cm あればいいかな~というかんじです。
横になったときに、手が顔に届かない長さがあれば大丈夫です。
チーのような標準サイズのチワワや、同じくらいの大きさの子でしたら、外周はA4クリアファイル目一杯分取れば大丈夫だと思います。
手が顔に届いてしまうと、エリザベスカラーの意味がなくなってしまうので、画像の矢印部分の長さも入れて、お考えください。
2.クリアファイルに下書きする
円を作りたいので、クリアファイルの袋になっている側を下にして、油性マジックで、内円と外円の半円を書きます。
画像の黒く見える点線がそうです。(見えづらいので、白紙を敷いています。)
コンパスをお持ちの方は、それで書くと早いです。
テンパは持っていないので、ちょうど良い大きさの食器を探して型取りしました。
画像の緑色に塗られている所が、捨てる部分です。
3.クリアファイルの不要部分を切り取る
下書きを書いたら、必要な部分をはさみで切り取ります。
広げると円形です。
4.円錐台形にするため円を切断する
円錐台形状にするので、先ほどの円を少し切ります。
折り重ねながら、大体の切り取り幅を試算します。
このくらいかな・・・
半分に折ったままで、緑色の斜線部分をはさみで切り落とします。
広げるとこんな形です。
後で内円の周りにフェルトを貼るので、実際の首周りより大きめに設定してあります。
チーの首周りは20cmですが、この時点で28cm位にしてあります。
5.大きさを微調整する
マスキングテープで仮留めします。
後でマジックテープを付けるので、その貼り付け部分を残して、余分なクリアファイルを切り取ります。
マジックテープを仮置きする場所は、内側のクリアファイルの端になるように合わせてください。仮置き場所を間違えると大きさが足りなくなるので、注意です。
重なったクリアファイルの外側に来る方の、マジックテープ幅よりはみ出たクリアファイル(緑色の斜線部分)を切り取ります。
※マジックテープは目安のために重ねているだけです。
マスキングテープを外して広げると、こんな形です。
6.クリアファイルの外周にビニールテープを貼る
クリアファイルは薄いので、万が一目などを傷付けたりしないように、外周にビニールテープを貼ります。
絶縁用のビニールテープは多少伸びるので、円に沿ってカーブを付るように外側をぐいぐい伸ばしながら貼っていくとシワになりづらいですし、反対側へ折り返して貼るときにも、きれいに貼れます。
最後に、鋭角な4箇所を丸くカットしました。
7.フェルトの切り取り
フェルトを、内円より大きめにはさみで切り取ります。
両面に貼りたいので、同じものを2個作ります。
8.クリアファイルとフェルトを貼り合わせる
クリアファイルとフェルトを接着剤で貼り合わせます。
クリアファイルを中心にして、フェルトを両面貼り合わせます。
乾かした後にサイズを調整しながらカットするので、内側の貼り合わせはちょっとくらいズレててもだいじょうぶ!
9.マジックテープを貼る
マジックテープも接着剤で貼ります。
エリザベスカラーを組み立てたときに、マジックテープがくっつき合うように貼ります。貼る場所を間違えないように、注意してくださいね。
接着剤が乾くまで待ちます。
フェルトとクリアファイルは割とすぐにくっ付きましたが、マジックテープとクリアファイルは少し時間がかかりました。
10.首周りのサイズを調整する
接着剤が完全にくっ付いたら、一番内側のフェルト部分を、本人の首と合わせながらはさみで少しずつ切り取って、調整していきます。
付けたときに “ぴったり” というよりも、前後左右に少し動くくらいの余裕を持たせてあげてください。それじゃないと、下を向いたり横になったときに、くいこんで苦しいです。
「ちょっと緩いかな?」と思っても、自分で外せなければだいじょうぶです。
完成です!
11.チーに装着
チーに付けました。
せっかく作ったのに、とても渋い顔をされてしまいました。
エリザベスカラーを自作してみて思ったこと
良かった点
素材に軽くて透明なクリアファイルを選んで正解でした。
また、オーダーメイドでサイズがピッタリだったためか、チーも動物病院のレンタルエリザベスカラーよりは嫌がりませんでした。
反省点
- 貼り付け方法について
いろいろ接着剤でくっつけましたが、接着剤臭が少々気になります。
においはしばらく日光に当てたら飛びましたが、できることなら糸で縫ってあげたかったです。
クリアファイルは硬いため手縫いは無理ですが、ミシンがあれば縫うことができますので、そうしたらすぐに完成したんじゃないかな、と思います。
ただしミシン針はチタンコーテングされたものなど、強度が高いものを使わなければなりません。それに、あまり強くないミシンは壊れてしまう可能性があるため、注意が必要です。その他の方法では、100円ショップでも取り扱いがあるグルーガンでの接着も考えましたが、クリアファイルの素材の種類によってくっ付かないこともあるので、今回は使いませんでした。
- マジックテープの長さ
説明がむずかしいのですが、マジックテープが重なる面のフェルトがかさばります。
マジックテープがくっつき合う面は肌に触れることはないので、フェルトは要らなかったです。ですのでマジックテープの下部分にはフェルトを貼らないで、マジックテープを上から下まで貼ればよかったです。
その方が輪っかにしたときも、より安定すると思います。
まとめ
犬や猫がいるお宅では、エリザベスカラーがあるといざというとき助かると思いますが、なかなか必要になってからじゃないと用意しませんよね。
最近はペットショップでも取り扱う所が増えてきたように感じますが、近所で手に入らずネットで買うとしたら、届くまで時間がかかります。
こちらは必要なときにすぐに作れますし、軽くてオーダーメイドなので、首への負担が少ないのではと思います。
エリザベスカラーは犬や猫にとって、ストレスが多いものです。
どうしても付けなければならないときは、ほんの少しでもストレスを減らしてあげたいですよね。
今回作ったカラーはあくまでも簡易的なものですので、カラーを押しのける力が強い子には、がっしりとしたものを用意してあげてください。
また、不安でしたら付ける前に獣医師さんに相談してくださいね。
参考になれば幸いです。