<コンセプト>
会社員。既婚。妻は扶養内でパートしている。
去年から「源泉徴収あり特定口座」で株取引をはじめた。
そして、去年1年間の取引で損が出てしまった。
株について色々調べていると「源泉徴収あり特定口座」でも、
でも、平日は仕事!税務署へ確定申告に行く暇なんてない!
国税庁の公式サイトを見たものの、意味不明。
手順を説明したサイトの通りにやってみるが、ページの内容が平成28年の確定申告の説明で、今年の平成29
だれかたすけて・・・
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こんな人に、ぜひ見てもらいたい!まだ間に合います!
繰越控除とは
繰越控除とは、本年分の損失を控除しきれない時に、翌年以降にその損失を繰り越して、翌年以降の利益から控除することができる制度です。
毎年確定申告を行うことによって、損失金額を最大3年間繰越すことができ、繰り越した年の株式等の譲渡益等を控除することが可能です。
例えば・・・
2017年は50万円の損をしたので繰越控除します。翌年2018年は20万円の利益がでました。
通常は20万円の利益から、税金として約20%の4万円が自動徴収されて、手取りは16万円になります。ところが、繰越控除をしていると「20-50=-30」という計算になり、2018年は利益がなかったことになり、税金がかかりません。
ということは、自動徴収された4万円が戻ってくることになります。
そして、繰越控除は3年間繰り越すことが可能なので、2019年は10万円、2020年も10万円の利益がでたとすると、3年間で「20+10+10-50=-10」となり、2019、2020年も税金が実質かからないことになります。
しかし、この翌年2021年には、2017年から3年過ぎてしまったので、残りの-10万円分を繰り越すことはできません。
繰越控除するには確定申告が必要で、申請したら毎年忘れずに確定申告しなくてはならないことです!
繰越控除申請の期間
平成29年分の確定申告は平成30年2月16日(金) 〜 3月15日(木)まで
繰越控除に必要なもの
- 印鑑
- マイナンバー
- 本人確認証(免許証など)
- 勤務先からもらう平成29年源泉徴収票
- 特定口座年間取引報告書
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証券会社から1月くらいに送られてくるもので、年間の取引額や損益額が記入されています。
ネットで繰越控除の手続き
今回は国税庁WEBサイト「確定申告書等作成コーナー」で確定申告に必要な書類を作成し、所定の税務署に郵送する方法を説明します。
※e-Taxを使えば、ネット上で簡単に書類提出可能ですが、使用にあたって事前の手続きや、専用の機械(ICカードリーダライタ)が必要になります。
初心者向けに説明しているので、上のコンセプトの内容にそって、最初の画面から入力方法を説明していきます。
<コンセプトの確認>
男性、会社員、既婚、妻は扶養内でパート、年間で損を出してしまった、
繰越控除は初めて、配当金なし
1. 国税庁WEBサイト「確定申告書等作成コーナー」へアクセスし、「確定申告書等作成コーナー」をクリック
2. 赤枠の「作成開始」をクリック
3. 「書面提出」をクリック
4. 次にパソコンやプリンターの環境についての項目が表示されるので、確認し問題なければ「全て確認済み」にチェックいれて「次へ」をクリック
5. ピンク色の「所得税コーナーへ」をクリック
6. 真ん中の「左記以外の所得のある方」の「作成開始」をクリック
7. 作成する確定申告書の提出方法で「確定申告書を印刷して税務署に提出する」にチェック→「申告の種類」チェックをつけない → 生年月日を入力 →「申告書の様式をイメージした入力画面で申告書を作成する」にはチェックをつけない →「入力終了」をクリック
8. 画面をスクロールし、「分離課税の所得」の「株式等の譲渡所得等」の「入力する」をクリック
9.① 「申告分離課税」を選ぶ
この「申告分離課税」を選び間違うと、繰越控除のできないので注意!
9.② 「特定口座年間取引報告書」の内容を入力するをクリック
ここから、先ほどの特定口座年間取引報告書(報告書と省略します)を使って、入力します。
10.① 「源泉徴収の選択」は「有」にチェックし、「勘定の種類」は報告書の右上に記載されているものを選び、赤枠の「譲渡損益」「配当等」両方にチェック
10.② 報告書に記載されている項目を打ち込もう。
10.③ 証券会社を記入、報告書の本店名が空白なら、そのまま記入なしでOK
10.④ 今回配当金はなかったので、空欄に全て 0 を入れよう。配当があるかないかは、報告書に同じ項目があるので確認してね。(このページは、②と③の間に表示されているかもしれませんので、間違っていたらすみません。)
10.⑤ スクロールして1番下に行くと、先ほど入力した内容が反映されていることを確認し、「入力終了」をクリック
11.① 先ほどの 9 のページに戻ってきたと思います。赤枠の3つの項目はそのまま無視しましょう。
11.② 画面をスクロールすると、次の項目があります。
今回、繰越控除は初めて申請するので、「いいえ」にチェック、「計算明細書」の内容を入力するは無視し、「入力終了」をクリック
12. 「金融・証券税制(株式等の譲渡所得等・計算結果確認1)」と、この次ページの「金融・証券税制(株式等の譲渡所得等・計算結果確認2)」には、先ほど入力した内容が確認画面に表示されているので、問題なければ「確認終了」をクリック
13. 「総合課税の所得」項目の「配当所得」と「分離課税の所得」項目の「株式等の譲渡所得等」「上場株式等に係る配当所得等」に、先ほどの入力が反映されて、チェックが付いていると思います。
次に「総合課税の所得」項目の「給与所得」をクリック
14. ここから、勤務先からもらう平成29年分源泉徴収票を見ながら入力します。
ページ左側に、源泉徴収票のどこを入力すればよいのか、わかりやすく色分けされているので、特に説明しなくても大丈夫でしょう。
このまま1/4~4/4まで指示通りに入力していきます。
15. 入力した内容の確認し、「次へ」をクリック
16. 次に「配偶者(特別)控除の入力」です。配偶者の源泉徴収を見て入力します。
「?」を押すと、先ほどと同じように源泉徴収票のどこを入力すればよいか、色つきで教えてくれます。必要項目を入力して「入力終了」をクリック
17. すると 13 のページに戻り、「給料所得」にチェックがつきます。その他、該当する所得がなければ、スクロールして「入力終了」をクリック
18. 先ほど入力した源泉徴収票の社会保険料控除や配偶者控除が反映されています。その他に「医療費控除」等該当項目があれば、記入してください。
確認して「入力終了」をクリック
19. 次ページの「税額控除・その他の項目の入力」は該当ヵ所がある場合は入力しよう。
今回は入力が必要なものがないため、そのまま「入力終了」をクリック
もう少しで終わりです。
20.① 「計算結果確認」で画面に納付する金額が表示されます。今回は、繰越控除なので0円になっていると思います。
20.② 下画面には、今まで入力してきたことが、ずらーと書かれていると思います。そのまま下へ行き、今回の目的である「翌年以後に繰り越される損失の金額」に損額が入力されていることを確認し、「次へ」をクリック
21. 「住民税等入力」では、該当する人のみ入力します。
今回は損が出ていて配当もないので、入力はいりまん。
22.① 「住所・氏名等入力」は順に自分の情報を入力していこう。1/3を入力して「入力終了」をクリック
屋号とは個人事業者の方が使用する商業上の名前なので、特に入力なしで問題なし
22.② 2/3も同じように入力、赤枠の「提出先税務署」は自宅の住所を入力すると、自動で提出先を選んでくれる。
22.③ 3/3を確認し、「入力終了」をクリック
23. 次に「マイナンバーの入力」が求められます。入力して「次へ」をクリック
これで書類作成終了です!!
24. このページでは、作った書類を印刷を保存・印刷します。
「印刷に当たっての留意事項」の確認し、赤枠の全てにチェックが付いてることを確認し、「帳票表示・印刷」をクリックすると、PDFファイルとして保存されるので、そのファイルを印刷しましょう。
印刷したら、「次へ」をクリック
25. 「入力データを保存する」があるので、一応保存しておきましょう。保存すると来年の申告書作成に利用できます。最後に「終了する」で画面を閉じます。
26. あと印刷した書類の最後16ページの「提出書類等のご案内」に提出方法が記載されているので、その通りに印鑑を押し、添付書類を添えて、所定の税務署に郵送しよう。
・「提出書類等のご案内」の下に、送り先の税務署の住所が記載されているので、切り取っ
て封筒の宛先に使おう。
・郵送は個人情報が入っているので、信書便を使おう。
・控用の申告書、切手を貼った返信封筒を一緒に提出してすると、受付印を押してもらえま
す。受付印は収受の事実を証明してくれるものになるため、押してもらった方が無難で
す。※この受付印は内容を証明するものではありません
まとめ
・株で損をしたら、繰越控除で来年の税金を減らすことができる。
・繰越控除は3年間繰り越せるが、毎年確定申告が必要。
・忙しいなら、ネットで確定申告に必要な書類を作成し、郵送で提出できる。
・必ず申告分離課税で申請する。
このサイトは、初心者向けに作りましたが、人によって記入する箇所が違ってくると思います。自己責任で参考にしてください。このサイトを見てもわからない箇所は、公式サイトのヘルプを読んだり、電話で問い合わせてみてください。それでも、解決しない場合は仕事をお休みして、直接税務署で確定申告に行くのも手だと思います。
皆さんのお役に立てれば、幸いです。