こんにちは!薬剤師テンパです。
皆さんは普段から正しく用語を使えているでしょうか?
感染症によく処方される抗菌薬ですが、抗菌薬は他にも抗生物質(抗生剤)と呼ばれることがありますよね。
実は抗菌薬と抗生物質(抗生剤)、同じものを指していると思われがちですが、厳密には違います。
医療用語って、使い方がけっこう紛らわしくて、日常的に使用する医療従事者でも気付かずに間違えていることが、数多くあります!
そこで今回は、医療用語「抗菌薬」と「抗生物質(抗生剤)」の使い方の違いについて説明します。内容は小話程度です。
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抗菌薬と抗生物質(抗生剤)の効果は同じ
誤解の無いように先に言うと、抗菌薬・抗菌剤・抗生物質・抗生剤といろいろな呼び方をしますが、細菌を殺すという効果については、どれも変わりありません。
そのため、抗菌薬は効くとか、抗生剤だから効かないとか、そういったことは全くなく、細菌を殺すこと自体は同じなので、医療現場では抗菌薬と抗生物質(抗生剤)が混同して使われています。
厳密には抗菌薬と抗生物質(抗生剤)は違う
では、抗菌薬と抗生物質(抗生剤)は何が違うのか。違いはこれらの細菌を殺してくれる薬が作られた経緯が関係してきます。
人類で最初に作られた抗生物質は「ペニシリン」と有名ですよね。
ペニシリンは1990年代初頭にフレミングという細菌学者によって、アオカビから発見されました。以降、ペニシリンをベースにいろいろな抗生物質(抗生剤)が作られていきます。
一方、抗菌薬はいろいろな抗生物質が発売されていく中で、カビや細菌などの自然界由来ではなく、さまざまな化合物を人為的に組み合わせて開発した、自然界にはない薬です。
つまり、抗生物質(抗生剤)は自然界から生み出されたもの、抗菌薬は人為的に作られたもの、ということになります。
まとめ
いかがだったでしょうか?
医療用語的には、抗菌薬と抗生物質(抗生剤)では少し違いがありました。
しかし、実際の医療現場では抗菌薬、抗菌剤、抗生物質、抗生剤とごちゃ混ぜで使われていて、全く使い分けはされていません。
ぶっちゃけ、細菌を殺してくれる効果は同じなので、使い分ける必要もないように感じます笑
ですが、医療従事者が論文や資料を作成する時のために、知識としてしっかり押さえて、正しい使い方をしておくと、指摘されずに済むかもしれませんね。
参考になると幸いです。