こんにちは、テンパです。
毎日新型コロナウイルスについて、情報媒体でいろいろな情報が更新され飛び交っており、不安になる方も多いのではないかと思います。
ですが正しい基本情報を頭に入れておくだけでも、不安感が軽減されたり、何かが起こったときにも対処がしやすくなるのではないでしょうか。
以下は主に厚生労働省、その他WHOや専門家などが発表している情報に基づき、わかりやすくまとめました。
皆様ご自身や大切な人を守るために、参考になれば幸いです。
目次
新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)とは?
「新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)」はコロナウイルスのひとつで、最近発見されました。これによって引き起こされる感染症を「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)」と言います。
記憶に新しいSARSやMERSもコロナウイルスの一種で、それぞれの正式名称は「重症急性呼吸器症候群コロナウイルス(SARS-CoV-1)」、「中東呼吸器症候群コロナウイルス(MERS-CoV)」と言います。
新型コロナウイルス感染症にはどうやって感染するのか
主要な感染方法は、飛沫感染、接触感染で、さらに「3つの密」が揃うと、感染が拡大する可能性が指摘されています。
その他にも人混み、近距離で多くの人との会話、大声を出す、歌う、呼吸が激しい運動などはリスクがあるとされていて、実際にライブハウス、スポーツジム、医療機関などでクラスター(小規模な集団感染)が発生しています。
「飛沫感染」とは?
くしゃみ・咳・つば(唾)などの、口から出る小さい水滴が飛沫です。
感染者の飛沫にはウイルスが含まれており、その飛沫を他の人が鼻や口から吸い込んだり目に入ると、感染します。
ですが飛沫は、どんな程度でも飛ぶのは最大2メートルです。そのため「2メートルの間隔を開けてください」という注意喚起がなされているわけです。
「接触感染」とは?
接触感染は、手を介して起こることが一番多いです。
感染者が鼻水をかんだり、くしゃみ・咳をしたときに手で押さえたとします。そして、ウイルスの付いたその手で物に触れると、そこにウイルスが付着します。
それを他の人が触り、ウイルスが付着した手で目・口・鼻などの粘膜を触るなどして、感染します。
手洗いやアルコール消毒をしていない手では、顔を触らないようにしましょう。
「3つの密」を避ける
新型コロナウイルスはペットから人へは感染しない
新型コロナウイルスがペットから人へ感染したという事例は報告されていません。
ですが、人からペットへ感染したのではないかとされている犬・猫は報告されています。帰宅したらお出迎えしてくれるペットにすぐに触れずに、先に手洗いうがいを済ませましょう。また、過度なスキンシップは控えるようにしましょう。
新型コロナウイルスはどれくらいの時間、感染力を持つのか
新型コロナウイルスは皮膚の表面にも付着しますが、皮膚の状態が健康な場合は入り込むことはできません。皮膚の表面にもずっと存在し続けるわけではなく、時間が経つと壊れます。
物に付いた新型コロナウイルスが感染力を保つ時間は、24~72時間(1~3日間)くらいで、特にプラスチック製品での存在時間は長いことが、米国の実験結果でわかっています。
新型コロナウイルスの感染力維持時間 | |
---|---|
銅板の表面 | 3時間後まで |
厚紙の表面 | 4時間後まで |
ステンレス版の表面 | 24時間後まで |
プラスチックの表面 | 72時間後まで |
エアロゾル状態 | 3時間以上 |
感染者が見つかった場所からの荷物で感染する?
現時点では、コロナウイルスが見つかった中国やその他の場所から送られた物品と接触した人が感染した事例は報告されていません。
WHOも、コロナウイルスは一般的に、手紙や荷物のような物での表面では長時間生き残ることができない、としています。
食品を介して感染する?
現時点では、食品を介して感染したとされる事例は報告されていません。食中毒予防と同様の衛生管理を行っていれば、大丈夫です。使用する食器も清潔に保ちましょう。
WHOからは「生あるいは加熱不十分な動物の肉・肉製品の消費を避けること、それらの取り扱い・調理の際には注意すること」とされています。
コロナウイルスは60℃で30分間、もしくは100℃で1分間加熱すると死滅します。心配であれば、食品や食器を加熱処理してください。
また専門家からは、生で食べる野菜・果実は、流水で充分に洗ってから食べることが推奨されています。
新型コロナウイルス感染症の予防法
不要不急の外出の自粛、「3つの密」を避けることを基本として、風邪やインフルエンザ対策と同じように、うがい、こまめな手洗い、咳エチケットを徹底することが重要です。
自覚症状がない方もいますし、新型コロナウイルス感染症にかかっているかどうかは検査をしない限りわかりません。感染しない・させないためにも、これらを常に心がけましょう。
外出したらうがいをする
いきなりガラガラとしてしまうと、口の中の菌やウイルスが喉へ流れてしまうことがあります。
必ず先にブクブクと口をゆすぎ吐き出した後に、ガラガラしましょう。
手洗いの徹底
YouTube『正しい手洗い方法』(厚生労働省・MHLWchannelより)
コロナウイルスは、粒子の外側に「エンベロープ」という脂質から構成される二重の膜を持っています。石けんやハンドソープを使った手洗いは、その膜を壊すことで感染力を失わせるため、とても有効です。
「石けんやハンドソープで10秒もみ洗い + 流水で15秒すすぐ」と、手洗いなしの状態と比べてウイルスを1万分の1に減らせます。これを2セット繰り返すことで、更に効果が期待できます。
ですが、手を「流水で15秒」すすいだだけでも、ウイルスは百分の1に減らすことができるので、石けん類やアルコール消毒液がない場合も手洗いをしてください。
ただし、手拭き用タオルは常に清潔なものを使って、使いまわすことは避けてください。
外出時は手指消毒用のアルコール消毒液、高濃度エタノール製品を活用する
感染予防を目的とするならば、エタノールは1分間接触すればOKです。
エタノール(アルコール)などの有機溶媒は、新型コロナウイルスのまわりの脂肪の膜を壊して不活性化させます。手洗いができないときは手指消毒用エタノールが便利です。
ですが現在非常に品薄になっており、入手困難の状態が続いています。
今まで厚労省は、新型コロナウイルスの消毒に有効なエタノール濃度は、70~83vol%の範囲内としていました。(※「vol%(ボリュームパーセント)」とはエタノールの濃度で、「1リットル中何割含まれているか」を表しています。たとえば、60vol%はエタノール濃度60%です。)
しかし北里大学の調査結果で、60vol%台のエタノールによる消毒でも1分間の接触で一定の有効性があるとの報告を受け、60vol%以上の高濃度エタノール製品も、新型コロナウイルスに対しての使用を認める決定をしました。
ちなみに10~30vol%のエタノールは、10分間の接触でも不活化(ウイルスが感染力を失うこと)の効果は確認できなかったとのことです。
下の2商品は、北里大学が発表したアルコール消毒液の代わりになる効果が期待される、手指消毒用の市販製品です。
咳エチケットの徹底
咳エチケットとは、咳やくしゃみをする際にマスクをしたり、マスクがなければティッシュやハンカチ、服の袖・肘の内側などを使って口や鼻を押さえて、自分が持っているかもしれないウイルスを広げないようにすることです。
人がいるところでは家の中でも実践することが大切です。
マスクを外すときは、マスクの本体部分を触らないようにし耳のゴム部分を持って外します。捨てるときは、ゴム部分を持ったまま袋に入れて密閉し、ゴミ箱に捨ててください。
マスクに触れる前後にも手洗いをしましょう。
鼻をかんだり唾液が付いたティッシュや、使用したマスクは、すぐにビニール袋に入れて、捨てるときには密閉し、ウイルスが広がらないようにしましょう。
定期的な室内の換気
室内の換気方法としては、窓を開けたりすることによって、部屋の空気と外気を入れ替えるというものです。できるだけ回数を多く換気する方が効果的です。
SNS上でエアコンで換気ができるとの情報が出回っていますが、一般的なエアコンには換気機能はありませんので、注意してください。
しっかり自分の健康管理をする
栄養状態が悪いかったり、睡眠不足だと、免疫力が落ちてしまい、感染症にかかりやすくなってしまいます。
毎日バランスの良い食事を心がけ、1日6~8時間程度の質の良い睡眠を取れるように心がけてください。
新型コロナウイルス感染症の症状は?
一般的な症状は、発熱、咳、疲労感です。
その他には、頭痛、結膜炎、喉の痛み、下痢、味覚・匂いを感じない、皮膚の発疹、指・つま先の変色などの症状が出ることもあります。
国内の症例では、発熱や呼吸器症状が1週間前後続いたり、強いだるさを訴える人が多いようです。
感染してもほとんどの人たちは軽症で済んで、病院にかからず治癒することもあります。
重症化しやすい人
高齢者や、高血圧、糖尿病、心臓・肺の病気、癌などの基礎疾患を持つ場合は、重症化するリスクが高いことが報告されています。
重症化すると肺炎になり呼吸困難を発症すると、人工呼吸器を付けたり集中治療室での入院が必要になり、入院期間も長くなります。
妊婦の方については、妊娠後期に感染したとしても、経過や重症化する確率は、妊娠していない方と変わらないとされています。また、胎児が異常や死産・流産を起こしやすくなるという報告もありません。
ただし、妊婦の方が肺炎になった場合は重症化の可能性があるため、感染予防を徹底することが大切です。
発熱、咳、呼吸困難・息切れ、胸の痛み・圧迫などを感じたら、すぐに医師の診察を受けてください。
「濃厚接触者」とは?
新型コロナウイルス感染症の感染者と近い関係にあったとされる「濃厚接触者」として判断する目安は以下の3点です。
新型コロナウイルスに感染したかも、と思ったら・・
「帰国者・接触者相談センター」へ相談
少なくとも以下のいずれかに該当する場合、最寄りの保健所などに設置される「帰国者・接触者相談センター」へすぐに相談してください。これらに該当しない場合でも相談できます。
発熱があれば、毎日体温を測定して、時間・体温を記録してください。
家族・同居人がいる場合を含む、感染拡大防止のための注意点
- 感染が疑われる人は、発熱などのかぜ症状がある場合、仕事・学校を休んで、不要不急の外出を控える。
- 感染が疑われる人を個室にし、接触場所を最小限にする。
分けられない場合は、距離を2m以上保ち、仕切り・カーテンなどを設置する。
寝るときは頭の向きを揃えず、逆にする。 - 感染が疑われる人・同居人ともに、毎日体温を測り、測定時間と体温を記録するなど、健康観察する。
- 感染が疑われる人・同居人ともにマスクを付ける。
マスクの表面は触らずひも部分をつまんで外し、その場でゴミ袋に密閉して捨てる。マスクが無ければ、咳エチケットを徹底する。 - 感染が疑われる人・同居人ともに、自宅でも咳エチケットや、必要に応じて手洗い・うがいやアルコール消毒を実行する。
- お世話役の人を絞る。
重症化しやすい方(高齢者、糖尿病、心臓・肺・腎臓に持病、免疫が低下している、妊婦の方などはリスクが高いため、感染が疑われる人のお世話をしないようにする。 - 定期的に部屋を換気をする。
- ゴミは密閉して捨てる。
口を拭いたり鼻をかんだティッシュ類は、その場ですぐにビニール袋に入れ、密閉して捨ててる。処理をした後はすぐに手洗いをする。 - 汚れた衣類やシーツ・タオル類を洗濯する。
体液で汚れた服やシーツ・タオルなどに触れるときは、手袋とマスクを付ける。(糞便からもウイルスが検出されることがあります。)
洗濯方法は、洗濯用洗剤を使い普段と同じだが、完全に乾かすこと。 - 手で触れる共有部分をこまめに消毒する。(消毒する場所の素材に合った消毒方法で行う。)
ドアノブ・手すりなど。
洗面所やトイレ、汚れがひどい部分は通常の洗剤で洗った後に行う。※家庭用塩素系漂白剤を使うとき・・主成分が次亜塩素酸ナトリウムであることを確認し、濃度が0.05%(製品の濃度が6%の場合、水3Lに液を25㎖)になるように調整して使用する。拭いた後は水拭きをする。※エタノール(アルコール)を使うとき・・霧吹きで吹きかけたら、ウイルスを不活化させるため1分間以上の時間をかけて、ゆっくり・しっかりと拭き取る。
※次亜塩素酸水を使うとき・・霧吹きでひたひたになるくらいに吹きかけたら、ウイルスを不活化させるため20秒以上の時間をおき、ゆっくり・しっかりと拭き取る。
もしくは20秒以上掛け流し、残らないようにしっかりと拭き取る。
使用済みの食器や箸・スプーンなどは、いつも通りの洗浄で大丈夫です。
感染者にはどのような治療が行われるのか
ワクチンは開発中
ワクチンについては国内での研究のほか、世界連携でワクチン開発を促進するためCEPI(感染症流行対策イノベーション連合)への拠出を通じたワクチンの早期開発に向けた取組を進めています。
抗ウイルス薬「レムデシビル」は先日承認された
抗ウイルス薬については、2020年5月8日に抗ウイルス薬「レムデシビル」が承認されました。注射薬のため、薬局で処方はされず病院で使用されます。
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既存の薬を新型コロナウイルス感染症の治療に応用できるか研究中
治療薬については、既存の治療薬からいくつかの候補薬が出てきており、観察研究や臨床研究、治験が進められています。
最近よく報道されている「アビガン」もそのひとつです。
効果が認められれば、新型コロナウイルス感染症の治療薬として承認されます。
商品名「アビガン」(一般名「ファビピラビル」)
タミフルなどの薬が効かないような新型インフルエンザのための治療薬で、ウイルスの増殖を抑制する作用があります。
少し特殊な薬で、「当該インフルエンザウイルスへの対策に使用すると国が判断した場合にのみ、患者への投与が検討される医薬品である」とされており、一般には流通していません。
その理由としては、開発の過程で実施した動物による安全性試験で、胎児に奇形が生じる可能性が認められたため、日常臨床で使用するのは危険があると判断されたからです。
「治癒」の判断はどうやってされるのか
発熱や咳などの呼吸器症状がなくなり、鼻腔・気管などからウイルスが検出されなくなれば、「治癒」の判断がされます。
また、対症療法を行って全身の状態をサポートし続けている間に、体の中で新型コロナウイルスに対する抗体ができてウイルスが排除され、治癒に至ると考えられるとのことです。
まとめ
現時点で厚生労働省などで発表されている情報をまとめましたが、日々新しい情報は更新されたり、基準などが改変されたりしています。
人づてで仕入れた情報を鵜呑みにせず、必ず正しい情報を調べるようにしましょう。
世界中で1日も早く日常が戻ることを願っています。