こんにちは!薬剤師のテンパです!
病院やクリニックから処方される薬について、日ごろいろいろ疑問に思っていることが、みなさんあるのではないかと思います。
ただ、病院やクリニックの医師や調剤薬局の薬剤師って、いそがしそうにしているので、つっこんで質問することはなかなかできないですよね。
そこでこのブログで、そんな薬についての疑問を解決できたらと思い、少しずつ記事を作成しています。
今回は目薬(点眼薬)のあれこれについて、詳しく紹介していきます。目次で気になる項目があったら、是非見ていってください!
過去にもいろいろな薬の記事を作成しているので、興味がある方はトップページのカテゴリーの薬剤師シリーズもどうぞ!
目次
目薬の保存方法は?
目薬(点眼薬)の保存方法は、必ずしっかりふたをして付属の小分け袋に入れて保存するようにしましょう。
付属の袋の多くは、遮光性(光を遮断してくれる)があるもので作られているので、その中に入れて保存すると、日光による分解を防いでくれるのです!
それに、ゴミなどの付着を防いで、容器を清潔に保ってくれるんですよ。
保存する場所は、直射日光を避け、なるべく涼しい所にしましょう。
また、薬によっては冷蔵庫で保存する目薬(点眼薬)もあります。冷蔵庫で保管するように薬剤師から指示があった場合は、それに従ってください。
目薬の使用期限はいつまで?
開封前の場合は、目薬(点眼薬)の容器に使用期限の記載があるので、その期限まで使用することができます。
開封後の場合は、使用期限は開封してから1ヶ月と考えてください。1ヵ月を経過したものは使用しないで捨てるようにしましょう。
1本でどれくらいもつの?
目薬(点眼薬)の容器から出る1滴=0.05mlです。
ですので、5mlの目薬(点眼薬)1本には、約100滴分の薬剤が入っています。
2.5mlの目薬(点眼薬)1本には、約50滴分の薬剤が入っています。
では、例えば1日3回、1度に1滴両眼に点眼する場合だと、計算上は約16日分ということになります。
ですが実際のところは、上手く目の中に入らない場合もあるので、約1~2週間分といったところですかね。
計算上での日数は、このように考えます。
・1日1回、1度に1滴を両眼に点眼すると50日分
・1日2回、1度に1滴を両眼に点眼すると25日分
・1日4回、1度に1滴を両眼に点眼すると12.5日分
基本的には、この計算上の日数と、上手く目の中に入らなかった場合を踏まえて、目薬(点眼薬)の処方する本数を医師が決めています。
ちなみに、テンパは患者に目薬(点眼薬)が処方されている時は、前回の受診日からどのくらい経っているのかを確認し、目薬(点眼薬)の用法をしっかり守って使われているのかを判断しています。
例えば、予定の受診日よりも早く受診した患者には、「用法を間違って使っていないか」だったり、「目薬(点眼薬)のさし方に問題がないか」を確認します。
逆に予定の受診日よりも遅く受診した患者には、「毎日きっちりとは点眼できてないんだな」という判断をして、しっかり用法を守るように指導をしています。
ごまかしてもムダだよ!
1度に何滴させばいいの?
目薬(点眼薬)は、1度に1滴で十分な効果があります。1度に2~3滴使っても、あまり意味がありません。
その理由は、目の中にある薬を溜めるポケットがあって、目薬(点眼薬)を目にさすと、そのポケットに溜まります。
ポケットの容量は、約0.02~0.03ml程度しかありません。
目薬(点眼薬)1滴は0.05mlなので、1滴分でもポケットに溜まる量の2倍程度あるため、1回1滴でもポケットに入りきらず、あふれてしまう分があるということです。
つまり、1回に2~3滴さしてもあふれてしまうだけなので、とてももったいないことをしているのです!
目薬をさした後は、パチパチとまばたきをする方がいいの?
実は1回のまばたきで、微量の涙が出ています。
ですので、必要以上にまばたきをする事で、せっかく点眼した薬剤がその涙で洗い流されたり薄まったりすることになるので、点眼後はまばたきせず、しばらく軽く目を閉じて薬剤をなじませるとよいでしょう。
そこで目頭を押さえることによって、目薬(点眼薬)が鼻の方へ行かないようにできるためだよ!
2本以上の目薬を続けてさしてもいいの?
さす順番ってある?
目薬(点眼薬)を続けてさしてしまうと、せっかく先にさした目薬(点眼薬)が、次にさした目薬(点眼薬)によって押し流されてしまったり、薬剤の濃度が薄まって効果が弱くなったりするおそれがあります。
そのため、一般的に5分間以上あけてから、次の目薬(点眼薬)をさすのが望ましいと言われています。
なぜ「5分」かというと、目は他の投与経路と比べて薬剤の吸収が良いので、通常2~3分で角膜から目薬(点眼薬)を吸収してしまいます。そのため、5分間以上あけると目薬(点眼薬)同士の影響が少ないということです。
目薬(点眼薬)をさす順序をつけるとしたら、一般的には、一番効かせたいものを一番最後にさします。
目薬の種類によっても、さす順番がある!
「懸濁型点眼薬(よく振って点眼するもの)」や、「油性点眼薬(あぶらのようにドロっとしているもの)」は、先に点眼するとなじみが悪くなりやすいので、最後に点眼するとよいでしょう。
ただし薬剤の種類によっては、「懸濁型点眼薬」であっても先にさした方が効果があるものもありますので、医師や薬剤師に相談してください。
種類別目薬の代表例 | |
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水溶性点眼薬 | サンコバ ヒアレイン クラビット チモプトール キサラタン ジクロート カタリン サンピロ トルソプト リズモン など |
懸濁性点眼薬 | フルメトロン カリーユニ エイゾプト リボスチン など |
油性点眼薬 | インドメロール油性点眼液 など |
水溶性点眼薬 → 懸濁性点眼薬 → 油性点眼薬となっています!
コンタクトレンズを付けたままさしてもいいの?
基本的にコンタクトレンズの使用中に、目薬(点眼薬)はささないようにしましょう。
一般的にソフトコンタクトレンズや酸素透過性ハードコンタクトレンズは、多孔性であるため、目薬(点眼薬)の薬剤や保存剤を吸収して、一種の貯蔵庫となります。
そのため、角膜に薬剤が長時間接触し、目が炎症を起こす原因になったり、レンズを劣化させてしまうんです。
その都度、医師や薬剤師に確認してくださいね!
まとめ
いかがでしたでしょうか。
点眼薬って、使い方については病院や調剤薬局でしっかり説明されますが、保存方法や使用期限については、あまり触れられないことが多いかと思います。
この機会にぜひ点眼薬の知識を増やしてくださいね。
参考になれば幸いです。